「初期費用0円、月額◯万円でホームページを作れます」と勧められ、差し出された書類がリース会社の申込書だった場合、それはホームページのリース契約です。リース契約は途中で解約できず、事業者どうしの取引なのでクーリング・オフも原則として使えません。支払いを終えると、自社のサイトはなくなります。
この記事では、契約の仕組みと総額の出し方、契約前に確認すること、契約してしまった場合の対処を解説します。
ホームページのリース契約の仕組み
ホームページのリース契約では、ホームページを作るのは制作会社ですが、契約してお金を払う相手はリース会社です。事業者は制作会社の紹介でリース会社と契約し、毎月のリース料をリース会社に払います。

リースの対象はソフトなどで、ホームページの制作や更新は含まれません。
ホームページのリース契約が危険といわれる理由
リースは複合機や電話機などでも使われる一般的な方法ですが、ホームページの場合は次の4つの問題が起きます。
途中で解約できず、解約しても残りのリース料を払う
リース契約は、原則として途中で解約できません。リース会社と合意して解約する場合も、残りのリース料(残債務)を支払う必要があります。
ホームページの場合、事業の方針が変わってサイトが不要になっても、サイトを閉鎖しても、リース料の支払いは契約期間の終わりまで続きます。
事業者の契約なのでクーリング・オフが原則使えない
訪問販売などで契約したとき、一定期間内なら無条件で契約を解除できる仕組みがクーリング・オフです。経済産業省と中小企業庁の資料は、個人事業者を含む事業者間の取引にはクーリング・オフが適用されないと明記しています。
法人だけでなく、個人事業主も「事業者」に含まれます。例外が認められる場合については、後述の「ホームページのリース契約をしてしまったときの対処と相談先」で説明します。
支払いが終わってもホームページが自社のものにならない
リース物件の所有権は、リース期間が終わってもリース会社にあります。期間が終わった後は、物件をリース会社に返すか、期間を延ばして再リースするかのどちらかです。何年も払い続けても、物件が自動的に自社のものになることはありません。
ドメインが制作会社の名義で登録されていると、契約が終わってほかの会社でサイトを作り直すとき、同じアドレスを使えないことがあります。契約書に、データとドメインの権利や引き渡しについての条項があるかを確認してください。
更新してもらえなくても支払いは止まらない
ホームページの更新や修正を頼めるかどうかは、制作会社との間でどんな約束をしたかによります。経済産業省と中小企業庁の資料には、「作成後の更新もやります」と勧誘されたのに、実際に更新を頼むと「そのような契約はしていない」と返される例が載っています。
制作会社との約束は別のものなので、制作会社が連絡に応じなくなったり、倒産したりしても、リース会社への支払い義務は残ります。
また、リース期間は数年単位になるため、支払いを続けているあいだにデザインや機能が古くなることもあります。作り直したいと思っても、残りのリース料があるため、新しいサイトの費用と二重に払うことになります。
出典:経済産業省・中小企業庁「ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから!」
ホームページのリース料の総額と他の作り方との比較
リースで作った場合の総額は、「月額リース料×リース期間の月数」で計算できます。月額だけを見ると安く感じても、総額にすると、同じ内容のホームページを制作会社に直接頼んだ場合の見積もりと大きく違うことがあります。
月額とリース期間の組み合わせで、総額は次のようになります。
| 月額リース料 | 5年(60か月) | 7年(84か月) |
|---|---|---|
| 2万円 | 120万円 | 168万円 |
| 3万円 | 180万円 | 252万円 |
この表の金額は計算の例で、ホームページのリース料の相場を示したものではありません。
総額が妥当かどうかは、同じ内容(ページ数、更新の回数、サーバーとドメインの費用を含むか)で、ほかの制作会社にも見積もりを依頼して比べると判断しやすくなります。
支払い方による違いは、次のとおりです。
| 項目 | リース | 一括払い | 分割払い | 月額制作(サブスク型) |
|---|---|---|---|---|
| 支払先 | リース会社 | 制作会社 | 制作会社(信販会社を通す場合もある) | 制作会社 |
| 途中解約 | できない(合意解約でも残りを払う) | 該当しない(支払い済み) | できない(合意解約でも残りを払う) | 契約による(最低契約期間を確認) |
| 物件・サイトの所有 | リース会社(期間後も移らない) | 自社 | 自社(完済までは売主に留保) | 契約による |
| 保守・更新 | 別の契約 | 別の契約 | 別の契約 | 契約による |
リースと月額制作は、どちらも「初期費用なし・月額払い」で見た目が似ています。違うのは支払先と、契約が終わった後にサイトが残るかどうかです。月額制作の条件はサービスごとに異なるため、最低契約期間と途中解約の条件、終了後にサイトとドメインを受け取れるかを契約前に確認してください。
ホームページのリース契約を勧められたら確認すること
リースを勧められたら、その場で申込書に署名しないでください。見積書をもらって総額を確かめ、更新の約束を書面にしてもらってから判断します。
経済産業省・中小企業庁とリース事業協会の資料には、リースの勧誘でよく使われる言葉と、その実際が載っています。
| 勧誘の言葉 | 実際 |
|---|---|
| ホームページを作れば売上が上がります | 売上が増えない場合がある |
| 作った後の更新もやります | 更新を頼んでも「そのような契約はしていない」と返されることがある |
| 今のリースの残りは、こちらで全額負担します | 今までのリース契約の残債務はなくならない |
| ◯◯を無料で差し上げます | リース会社が提供するものではなく、リース契約とは関係がない |
契約前に確認する項目は、次の表のとおりです。見積書と申込書(契約書)を手元に置いて、1つずつ確かめてください。
| 確認する項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 月額リース料・リース期間・総額 | 総額を計算し、ほかの制作会社の見積もりと比べる |
| 途中でやめる場合の条件 | 残りのリース料の支払い方 |
| 期間が終わった後の扱い | 返却か再リースか |
| 制作・更新・保守の範囲 | 回数と内容が書面になっているか。約束の相手はどこか |
| サイトのデータとドメイン | 名義は誰か。契約が終わった後に引き渡されるか |
ホームページのリース契約をやめたい場合の相談先
すでに契約している場合は、まず契約書で残りの支払いを確かめ、自己判断で支払いを止めずに相談窓口に相談してください。解約が難しければ、契約期間の満了に合わせて乗り換えを準備します。
最初に、前の節の表と同じ項目を手元の契約書で確認します。残りのリース料は「月額×残りの月数」が目安ですが、正確な金額はリース会社に問い合わせてください。
次に、支払いを止める前に相談してください。事業者の名義で結んだ契約でも、主に個人用・家庭用として使うものであれば、特定商取引法が適用され、クーリング・オフが認められる場合があります。当てはまるかどうかは個別に判断されるため、次の窓口で確認してください。
| 相談先 | 連絡先 | 相談できること |
|---|---|---|
| 契約しているリース会社 | 契約書に記載 | 契約内容と残りのリース料の確認 |
| リース事業協会「リース相談窓口」 | 03-3595-2801(平日10:00〜12:00、13:00〜16:00) | リースに関する相談と助言(電話のみ) |
| 消費者ホットライン | 188 | 最寄りの消費生活センターの案内。事業者の契約を扱うかは窓口によって異なる |
| ひまわりほっとダイヤル(日本弁護士連合会) | 0570-001-240(平日10:00〜12:00、13:00〜16:00) | 弁護士との面談の予約。一部の地域を除き初回30分無料 |
連絡先と受付時間は2026年9月時点のものです。相談するときは、契約書、見積書、申込書の控え、勧誘されたときのメモやメール、支払いの記録を用意しておくと話が早く進みます。
出典:公益社団法人リース事業協会「小口リース対応」(リース相談窓口)
消費者庁「特定商取引法ガイド」事例(訪問販売)
まとめ:ホームページはリースを使わず自社に残る形で作る
ホームページのリース契約は、途中で解約できず、クーリング・オフも原則として使えず、支払いを終えても物件が自社のものにならない契約です。勧められたら、その場で署名せず、総額と更新の約束を書面で確かめてください。すでに契約している場合は、契約書で残りの支払いを確認し、支払いを止める前に相談窓口を利用してください。
初期費用を抑えてホームページを作る方法は、リース以外にもあります。制作会社への分割払い、月額制作(サブスク型)、国や自治体の補助金の活用、ホームページ作成サービスを使った自作などです。
株式会社みずかげ製作所の「ひとまずWeb」は、初期費用0円で、制作・保守・サーバー代込みの月額定額(月額15,000円〜・税抜)でホームページを作るサービスです。
最初の6か月は最低契約期間で、途中解約はできません。そのかわり、契約から6か月たつと、ドメイン、サーバー、WordPress一式を追加費用なしで御社に移管します。移管後の月額はサーバーとドメインの実費だけで、更新を任せたい場合は保守メニューを選べます。6か月後にはドメインも御社に移るため、リース契約のように、アドレスが業者の名義のまま残ることはありません。
ページ数と機能を選べば「かんたん見積もり」で費用がその場で分かり、無料相談も受け付けています。
